そして2週間後。
再び由美がサロンを訪れる日がやって来た。
今回のオーダーは、「初めてのデートコーディネート」
そう、由美はプロフィール写真を変えたあと次々と男性から声がかかり、そのうちの一人とメッセージのやり取りを重ね、今日めでたく初対面することになったのだった。
「由美さーん、おめでとうございます!」
「ありがとう、乃亜さん」
乃亜は由美と手を取り合って喜ぶ。
「それでそれで? デートはどちらに行かれるんですか?」
「えっと、お相手の方も私も絵画が好きなので、美術館に」
「きゃー、すてき! 大人のデートって感じですね。静かに知的に絵の感想を語り合ったりして。よーし、イメージ湧いてきましたよ。早速メイクしましょ」
乃亜は由美をドレッサーの前に座らせると、丁寧にメイクを始めた。
「今回はまつ毛を長くクルンとさせて、伏し目がちでも見惚れちゃう感じにしますよ。チークはほんのりピンクで、リップも艷やかに。髪型は、左サイドでゆるくふんわりまとめますね。そうすると左右で違う表情を見せられますから。少し高い位置で束ねて、首筋がきれいに見えるように……。はい! 完成です」
「わあ……前回とはまた違った感じなのね」
「はい。この間はかなり控えめに仕上げたんですけど、ここから徐々にステップアップしていきますよー」
「すごいですね、乃亜さん」
「えへへ、それほどでも。さ、次は我らが絵美梨社長の出番ですよ」
大げさに振られて苦笑いしながら、絵美梨は用意していた服を由美に見せる。
「美術館なので、落ち着いた雰囲気のものを選びました。鎖骨がきれいに見えるスクエアネックのオフホワイトのブラウスに、七分袖のネイビーのジャケットを合わせてはいかがでしょう? 張りのある素材の膝丈のフレアスカートと、パンプスはヒールの音がコツコツ響かないものをご用意しました」
「へえ、そんなことまで考えるんですね」
感心する由美に、乃亜が得意気に胸を張った。
「そりゃ、うちの社長は『TPOの絵美梨』って呼ばれてますからね」
「乃亜ちゃん、お笑いタレントみたいに言わないで」
あはは!と由美が笑い出し、明るい雰囲気に包まれる。
「私、今日はデートだからってずっと緊張してたんですけど、ここに来てホッとしました。もう大満足です」
「やだ、由美さん。ここで満足しないで、ちゃんとデートしてきてくださいね? 大丈夫、すっごくおきれいですから」
「そうね、乃亜ちゃんと絵美梨さんのセンスだもの。とても心強いわ」
「でしょう? じゃあ、早速着替えて来てください」
「ええ」
再び由美がサロンを訪れる日がやって来た。
今回のオーダーは、「初めてのデートコーディネート」
そう、由美はプロフィール写真を変えたあと次々と男性から声がかかり、そのうちの一人とメッセージのやり取りを重ね、今日めでたく初対面することになったのだった。
「由美さーん、おめでとうございます!」
「ありがとう、乃亜さん」
乃亜は由美と手を取り合って喜ぶ。
「それでそれで? デートはどちらに行かれるんですか?」
「えっと、お相手の方も私も絵画が好きなので、美術館に」
「きゃー、すてき! 大人のデートって感じですね。静かに知的に絵の感想を語り合ったりして。よーし、イメージ湧いてきましたよ。早速メイクしましょ」
乃亜は由美をドレッサーの前に座らせると、丁寧にメイクを始めた。
「今回はまつ毛を長くクルンとさせて、伏し目がちでも見惚れちゃう感じにしますよ。チークはほんのりピンクで、リップも艷やかに。髪型は、左サイドでゆるくふんわりまとめますね。そうすると左右で違う表情を見せられますから。少し高い位置で束ねて、首筋がきれいに見えるように……。はい! 完成です」
「わあ……前回とはまた違った感じなのね」
「はい。この間はかなり控えめに仕上げたんですけど、ここから徐々にステップアップしていきますよー」
「すごいですね、乃亜さん」
「えへへ、それほどでも。さ、次は我らが絵美梨社長の出番ですよ」
大げさに振られて苦笑いしながら、絵美梨は用意していた服を由美に見せる。
「美術館なので、落ち着いた雰囲気のものを選びました。鎖骨がきれいに見えるスクエアネックのオフホワイトのブラウスに、七分袖のネイビーのジャケットを合わせてはいかがでしょう? 張りのある素材の膝丈のフレアスカートと、パンプスはヒールの音がコツコツ響かないものをご用意しました」
「へえ、そんなことまで考えるんですね」
感心する由美に、乃亜が得意気に胸を張った。
「そりゃ、うちの社長は『TPOの絵美梨』って呼ばれてますからね」
「乃亜ちゃん、お笑いタレントみたいに言わないで」
あはは!と由美が笑い出し、明るい雰囲気に包まれる。
「私、今日はデートだからってずっと緊張してたんですけど、ここに来てホッとしました。もう大満足です」
「やだ、由美さん。ここで満足しないで、ちゃんとデートしてきてくださいね? 大丈夫、すっごくおきれいですから」
「そうね、乃亜ちゃんと絵美梨さんのセンスだもの。とても心強いわ」
「でしょう? じゃあ、早速着替えて来てください」
「ええ」



