ただそこに愛があるなら

「大丈夫ですか?」

パーティー会場を出ると、要は絵美梨に左肘を差し出す。

「ありがとう」

要の腕に掴まって歩きながら、絵美梨は小さく息を吐いた。

いつもより身体を預けてくる絵美梨に、よほど疲れているのだろうと要は察する。

「車まで歩けますか?」

そう尋ねると、絵美梨はクスッと笑った。

「私のこと、いつまで子ども扱いするの? もう24よ」

いつもの笑顔を浮かべる絵美梨に、要もホッとして頬を緩める。

駐車場に着くと黒いセダンの後部ドアを開け、絵美梨の腕を支えながら座らせた。

運転席に回って車を走らせると、程なくして絵美梨はウトウトとまどろみ始める。

その様子をバックミラーで見ながら、要はなるべく静かに運転した。