「という訳なの。みんなはどう思う?」
翌日。
サロンのスタッフを集めて、絵美梨は戸川との話を報告した。
「私はいいと思います! このサロンに来る女の子は、みんな可愛くしてみせますよー」
ヘアメイクの乃亜は、若さゆえの怖いもの知らずもあって、いつもポジティブだ。
その明るさにつられるように、他のスタッフも頷く。
「単純に考えて、いいお話よね」
「このサロンがもっと注目されるし」
「それにあのアプリの社長って、イケメンハイスペの戸川社長でしょー? テレビでも有名だよね」
「うんうん。一緒に仕事することになれば、会えるのかな?」
キャー!と盛り上がる女の子たちの中、香織だけはなにやら思案している。
「香織ちゃんはどう思う?」
絵美梨に聞かれて、香織が口を開いた。
「その……密着取材した内容は、どこかで公開されるのですよね?」
「ええ。戸川社長のお話では、会社のSNSで順を追って動画配信していくそうよ」
「それって、このサロンの中も撮影されますよね? 絵美梨さんがますます注目されるのが、私は心配なんです」
「あら、どうして?」
香織は困ったように、要に視線を送る。
絵美梨のことがまた下品な書き込みと共に、ネットで拡散されるのを懸念しているのだろう。
要は小さく香織に頷いてから切り出した。
「皆さんの映り込みには細心の注意を払います。くれぐれもプライバシーには配慮いただくよう、戸川社長にも伝えておきます。それから動画が配信されれば、不適切なコメントや不快感を与えるような拡散がないかを、顧問弁護士と連携してこまめにチェックしていきます」
香織は黙って要の言葉に耳を傾けてから、絵美梨に尋ねる。
「絵美梨さんは? 今回のお話、どう思われますか?」
「私は……」
少し躊躇してから、絵美梨は顔を上げて皆を見渡した。
「本音を言うとやってみたいの。恋人がほしくて思い切ってマッチングアプリに登録した女性を、とびきりきれいにしたい。明るい気持ちで自信を持てるように。そうすればきっと、すてきな恋が出来ると思う。お相手の人と少しずつ時間を重ねて、お互いにかけがえのない存在になって、いつか結婚式を挙げる時には心から祝福して美しく仕立てたい。誰かの幸せな人生のお手伝いが出来るなら、こんなに嬉しいことはないと私は思うの」
シンと静けさが広がる。
やがて香織が、ふっと笑みを浮かべた。
「本当にそうですね。やりましょう、絵美梨さん。私も一人でも多くの女性を、幸せにしたいです」
「私も!」
乃亜がそう言い、他の皆も顔を見合わせて頷き合う。
最後に絵美梨が力強く声をかけた。
「ええ、みんなで力を合わせてやりましょう。キラキラ輝く恋する女性の為に」
「はい!」
声を揃えるスタッフたちに、絵美梨も笑顔で頷いた。
翌日。
サロンのスタッフを集めて、絵美梨は戸川との話を報告した。
「私はいいと思います! このサロンに来る女の子は、みんな可愛くしてみせますよー」
ヘアメイクの乃亜は、若さゆえの怖いもの知らずもあって、いつもポジティブだ。
その明るさにつられるように、他のスタッフも頷く。
「単純に考えて、いいお話よね」
「このサロンがもっと注目されるし」
「それにあのアプリの社長って、イケメンハイスペの戸川社長でしょー? テレビでも有名だよね」
「うんうん。一緒に仕事することになれば、会えるのかな?」
キャー!と盛り上がる女の子たちの中、香織だけはなにやら思案している。
「香織ちゃんはどう思う?」
絵美梨に聞かれて、香織が口を開いた。
「その……密着取材した内容は、どこかで公開されるのですよね?」
「ええ。戸川社長のお話では、会社のSNSで順を追って動画配信していくそうよ」
「それって、このサロンの中も撮影されますよね? 絵美梨さんがますます注目されるのが、私は心配なんです」
「あら、どうして?」
香織は困ったように、要に視線を送る。
絵美梨のことがまた下品な書き込みと共に、ネットで拡散されるのを懸念しているのだろう。
要は小さく香織に頷いてから切り出した。
「皆さんの映り込みには細心の注意を払います。くれぐれもプライバシーには配慮いただくよう、戸川社長にも伝えておきます。それから動画が配信されれば、不適切なコメントや不快感を与えるような拡散がないかを、顧問弁護士と連携してこまめにチェックしていきます」
香織は黙って要の言葉に耳を傾けてから、絵美梨に尋ねる。
「絵美梨さんは? 今回のお話、どう思われますか?」
「私は……」
少し躊躇してから、絵美梨は顔を上げて皆を見渡した。
「本音を言うとやってみたいの。恋人がほしくて思い切ってマッチングアプリに登録した女性を、とびきりきれいにしたい。明るい気持ちで自信を持てるように。そうすればきっと、すてきな恋が出来ると思う。お相手の人と少しずつ時間を重ねて、お互いにかけがえのない存在になって、いつか結婚式を挙げる時には心から祝福して美しく仕立てたい。誰かの幸せな人生のお手伝いが出来るなら、こんなに嬉しいことはないと私は思うの」
シンと静けさが広がる。
やがて香織が、ふっと笑みを浮かべた。
「本当にそうですね。やりましょう、絵美梨さん。私も一人でも多くの女性を、幸せにしたいです」
「私も!」
乃亜がそう言い、他の皆も顔を見合わせて頷き合う。
最後に絵美梨が力強く声をかけた。
「ええ、みんなで力を合わせてやりましょう。キラキラ輝く恋する女性の為に」
「はい!」
声を揃えるスタッフたちに、絵美梨も笑顔で頷いた。



