ただそこに愛があるなら

「改めて、新サロンオープンおめでとう、絵美梨」
「ありがとう、要くん。きれいなお花」

絵美梨は満面の笑みで、要から花束を受け取る。

要が手配しておいたケータリングの料理を、サロンで皆と味わった絵美梨は、日付が変わる頃にようやく要の待つ部屋に戻って来た。

「お疲れ様。ゆっくりお風呂に浸かっておいで」
「うん、そうする。あ、ケータリングの手配もありがとう。これ、要くんのお夜食にって、持って帰ってきたの。お勉強、がんばってね」
「ありがとう、絵美梨。サロンの人手が足りなくなったら、いつでも呼んで」
「大丈夫ですよーだ。わたくし、こう見えて結構出来る女なんですの」

おどけてみせる絵美梨を、要はグッと抱き寄せた。

「知ってる。最高にかっこ良くて、とびきりきれいで、眩しいくらいに輝いてる、俺の最愛の女」

耳元でささやかれ、頬を真っ赤に染める絵美梨に、要はクスッと笑う。

「それでいて、俺の腕の中では可愛くて甘えん坊」
「もう! 甘えん坊じゃありません」
「そうか? じゃあ、ごほうびはいらないか」

そう言って要が腕を解くと、絵美梨は上目遣いに要を見上げた。

「ん? どうした、絵美梨」
「……やっぱり、ちょうだい」
「なにを?」
「ごほうび」

要は、ふっと笑みをもらすと、絵美梨をギュッと抱きしめる。

「もちろん。今日も1日お疲れ様」

最初はチュッと耳元に。
次は柔らかいその頬に。

潤んだ瞳で見つめられたら、あとはなにも考えられない。

「……絵美梨、愛してる」
「ん……、私も」

絵美梨のきれいな髪に指をくぐらせ、グッと上を向かせると、覆いかぶさるように深く熱く口づける。

互いの温もりを感じ、気持ちが通じ合う。

言葉もなく、二人は愛を込めて、互いを抱きしめ合っていた。