ただそこに愛があるなら

クリスマスはスタッフにもプライベートの時間を大切にしてもらいたいと、絵美梨は自ら接客を買って出る。

この時ばかりは大阪のサロンのことは中断した。

(ご自分のクリスマスのことなんて、きっと微塵も考えていないのだろうな)

いつものように黒のパンツスーツで髪を1つにまとめ、笑顔を絶やさず働く絵美梨を、要はバックオフィスから見守る。

少しでも自分に出来ることはないかと考え、ケータリングでクリスマスメニューをバックオフィスのデスクに並べた。

「わあ、美味しそう!」

チキンやターキーレッグ、スープやサラダやオードブル、そしてもちろんクリスマスケーキも。

所狭しと並べられた料理に、スタッフは皆、目を輝かせた。

「どうぞ召し上がってください」

ランチタイムを交代で取りながら、皆は笑顔で美味しく味わう。

夜にはまた別のメニューと、ワインやシャンパンも用意した。

「お時間ある方は食べて行ってください」

営業時間が終わると皆で乾杯して、サロンに飾った大きなクリスマスツリーの前で写真を撮った。