ただそこに愛があるなら

「すっごーい! まるでベルサイユ宮殿みたいですね。行ったことないけど」

大阪のサロンの内装がCGでデザインされた画面を、乃亜が食い入るように見つめた。

「もうお姫様気分になること間違いないし! インスタ映えもするし、私もここでヘアメイクするのが楽しみ!」

両手を組んでうっとりする乃亜に、他のスタッフも、うんうんと頷く。

「東京のサロンは、どちらかと言うとクリスタルの輝きって感じですけど、大阪は淡いピンクがメインでとても華やかですね」
「本当に。わざわざ大阪まで足を運んで行きたくなっちゃう」
「私、ずっと大阪に転勤になってもいいな」

笑顔で皆の話を聞いていた絵美梨は、えっ、と驚いた。

「ちょっと、みんな。ここのサロンはどうなるのよ。見捨てないでね?」
「あはは! もちろん見捨てませんよ。でも東京と大阪、どちらも行き来して盛り上げたいです。仕事が2倍楽しくなりそう」

香織の言葉に、京華も同意する。

「確かに。自分にとっても良いインスピレーションを得られそうだし。それにいずれは名古屋もオープンするでしょう? ますます楽しみです。絵美梨さん、私たちでお手伝い出来ることは、なんでもやらせてくださいね」
「ありがとう、みんな」

戸川や今池の紹介でスタッフも増え、着々とオープンの準備は進められた。

松島グループの所有する土地に、同じく松島グループの建設会社が施行することになったのだが、絵美梨はスタッフの皆の様子に、サロンの横にワンルームマンションを社宅として建てることも決めた。

乃亜たちは、ますます楽しみで仕方ないとばかりにわくわくする。

忙しいながらも、誰もが皆、明るい雰囲気でサロンを盛り上げていた。