「え、ちょっと。絵美梨ちゃんと緋山さん、同じ部屋に泊まるの?」
松島グループのホテルに移動してチェックインし、要が戸川と今池にそれぞれルームキーを手渡すと、残った1枚を見て今池が問い正した。
「いえ、リビングを挟んでベッドルームが2部屋ありますので」
「それってスイートルームに二人で泊まるってことよね?」
「はい、まあ」
要が頷くと、今池はズイッと顔を寄せた。
「ちょっと要、こっちに来な」
またあのドスが効いた声ですごまれ、要は内心冷や汗をかく。
今池は、絵美梨や戸川から離れた柱の裏まで行くと、要を振り返った。
「あんたね、絵美梨ちゃんを翻弄するのもたいがいにしな」
「は? 翻弄する、とは?」
「なーにが『ベッドルームは2部屋ありますので』だよ。しれっとそんなことしといてからに、絵美梨ちゃんの気持ちに応えないとか、あんたは鬼か? 血も涙もないのか?」
「あの、一体なにを……?」
詰め寄られて、要は思わず後ずさる。
「私の名前はね、素直に今行け! って意味で今池素直なの」
「左様でございましたか。てっきり本名かと」
「本名よ」
「ええ!?」
「だけど今はあんたに名乗らせてあげる。いい? 今行かずにいつ行くの? 今行け、要!」
バシッと要の背中を叩いて喝を入れてから、今池は「お待たせー」と笑顔で絵美梨のもとに戻る。
「絵美梨ちゃん、明日はお洋服も見に行かない? 可愛いお店があるのよ」
「本当ですか? 嬉しい!」
「うふふー、私も嬉しい。じゃあ、また明日ね。おやすみー」
「はい。おやすみなさい、今池さん。戸川社長も」
エレベーターホールで、絵美梨は二人に挨拶する。
「今日はありがとうございました。明日もよろしくお願いいたします」
「こちらこそ。ゆっくり休んで」
戸川と今池のエレベーターを見送ると、絵美梨は要と一緒にスイートルームに向かった。
松島グループのホテルに移動してチェックインし、要が戸川と今池にそれぞれルームキーを手渡すと、残った1枚を見て今池が問い正した。
「いえ、リビングを挟んでベッドルームが2部屋ありますので」
「それってスイートルームに二人で泊まるってことよね?」
「はい、まあ」
要が頷くと、今池はズイッと顔を寄せた。
「ちょっと要、こっちに来な」
またあのドスが効いた声ですごまれ、要は内心冷や汗をかく。
今池は、絵美梨や戸川から離れた柱の裏まで行くと、要を振り返った。
「あんたね、絵美梨ちゃんを翻弄するのもたいがいにしな」
「は? 翻弄する、とは?」
「なーにが『ベッドルームは2部屋ありますので』だよ。しれっとそんなことしといてからに、絵美梨ちゃんの気持ちに応えないとか、あんたは鬼か? 血も涙もないのか?」
「あの、一体なにを……?」
詰め寄られて、要は思わず後ずさる。
「私の名前はね、素直に今行け! って意味で今池素直なの」
「左様でございましたか。てっきり本名かと」
「本名よ」
「ええ!?」
「だけど今はあんたに名乗らせてあげる。いい? 今行かずにいつ行くの? 今行け、要!」
バシッと要の背中を叩いて喝を入れてから、今池は「お待たせー」と笑顔で絵美梨のもとに戻る。
「絵美梨ちゃん、明日はお洋服も見に行かない? 可愛いお店があるのよ」
「本当ですか? 嬉しい!」
「うふふー、私も嬉しい。じゃあ、また明日ね。おやすみー」
「はい。おやすみなさい、今池さん。戸川社長も」
エレベーターホールで、絵美梨は二人に挨拶する。
「今日はありがとうございました。明日もよろしくお願いいたします」
「こちらこそ。ゆっくり休んで」
戸川と今池のエレベーターを見送ると、絵美梨は要と一緒にスイートルームに向かった。



