僕ら×回目の卒業式を

(リリィside)
「リリィ、友達をぶったのか?」
パパの声。
「リルがわるいもん!リリィがしかられるのおかしいでしょ!」
「リルくんは何をしたんだ?」
「おとこのこなのにかぐや姫やりたいっていうもん!おかしいもん!だからリリィがやるもん!」
辻褄の合わない会話。
「…なあリリィ」
「まだリリィを怒るの?」
「人って、どうすればうれしいって感じると思う?」
「…え?」
突然そんなこと言われて、きょとんとした。
「プレゼントをあげる?とか」
「そうか。じゃあどんなプレゼントをあげようか?」
「おかしとか?あ、でもせんせいはおかしきらいだったなあ…うーん…ひとによってかわるかな?」
「目に見えるプレゼントも大事だけど、」
パパはリリィにかけよった。
「やさしい、目に見えないプレゼントをもらうと、人は一番嬉しいんだよ」
「目に見えないの?じゃあどうやってもらうの?」
当時はこんなのことよくわからなかった。
すると、パパは風船をだした。テーマパークの職員だから、きっと風船を持ってきたのだろう。
「この風船のように、心を軽くしてあげるんだ」
「…かるく?」
一瞬静かになる。
「こころをかるくするには、どうすればいいの?」
「さあね。人によって違うから、リリィはこれから見つけていけばいいんだよ」
「これから…」

「アリアちゃんはこれでよかったの!!!!」
だって!アリアちゃんがそう言ったんだから。
アリアちゃんは嘘つくような人間じゃないから!
「ねえ」
ケイト?
「本当に…アリア、これでよかったのかな?」
「よかったの」
「アリアもちょっとだけ、まだみんなといたいとか、そんなこと思ってたんじゃないかな?」
「アリアちゃんうそついてないよ」
「うそはつかなくても、人に言えない気持ちってあると思う」