僕ら×回目の卒業式を

「ねえ」
認めて。
「あなたおかしいわよ」
は?
エミリー…?
「エミリーも認めてくれないの?」
「認められることって、大事?」
は?
「他人を蹴散らして認められようとして、何が残るの」
蹴散らして…
「あなたのこと応援してたわよ」
え?
「SNSもフォローしてた」
じゃああんたはあたしのフォロワー10人の中の1人…!?
「でも、今のあなたの写真には『いいね』をつけられない」
「じゃあなんでよ。やっぱりエミリーも…」
「『努力してきたニコル』を私は応援してたの」
何よ。
今のあたしも努力してるじゃないの。
「今のあたしも努力してるじゃないの」
「ちがう。今のあなたは自分を認めてくれる人を自分のものにしようとしてるだけ」
なに…いって…
「認めてくれないなら帰って!」
「昔の正々堂々やりあってSNSをしていたあなたはどこへいったの?」
正々堂々やっても認められないじゃない。
「それで認められなかったから変えたのよ」
「うるさい!!!!」
「もう一度、写真を撮って」
「え…」
もう一度?
何言ってんの。

「純粋に正々堂々写真を撮って。そうしたら、私はあなたを認める。何を言われようとも心から。そうじゃないなら、認めない」

…そっか…
認められるために、あたしは何をしてたんだっけ。
バカだ。
「でも…じゃあ何をやっても認められないじゃない…」
「私が認める。あなたのことを。努力したあなたを認める」

「ねえ、ライキ」
ライキが近寄る。
あんたは…
「こんな承認欲求バカインフルエンサーに付き合ってくれる?」
付き合ってくれないなら、何も気にしない。
「いいっすよ!」

「オレを最高にとってっすよ!」
「さあ、撮りなさい。どこからきたのかわからないけどカメラもあるわよ」
カメラも、たった1人だけどフォロワーも…いるじゃない...
「もちろんじゃないの!」
近くに微かに暖かい笑い声が響いた。