「そ、それでは、わたしもそろそろ失礼いたしますね……」 椛がひきつり笑いで去ろうとすると、 「いや。あんたはもう少しここに居たほうがいい」 まさかの、男に引き止められた。 「今倒れたばかりだろう。発つにしても、少し休んでからにしろ。うちの団子でも食べていきな。ついでにお茶も出してやる」 「え、でも……店を閉めるところだったのでは……?」 「そうだが、特別に便宜をはかってやる。だが、暗くなるのに外の席もなんだな。中に入れ」 男はそう言うと、椛を店の中へと引き入れた。