こんこん、と。
少し強めのノック音が響いた。
「失礼いたします」
扉が開くと同時に、
朝食のワゴンと一緒に現れたのはアリスだった。
いつもより歩幅が早い。
表情も、どこか険しい。
「お目覚めになられましたか、お嬢様」
「うん…おはよう」
そう答えるより早く、
彼女はずいっと私の額に手を伸ばす。
「……熱、なし」
「喉の腫れも、問題なさそうですね」
ほっと息をついた、次の瞬間。
――ぎろり。
視線が、真後ろに立つ人物へ突き刺さった。
さっき出て行ったはずでは…
「……殿下」
「なにかな、アリス」
ディランは涼しい顔だ。
「一晩中、同じ部屋にいらしたと伺いましたが」
「ああ」
即答。
「看病だよ」
「…………」
アリスの目が、すっと細くなる。
「“看病”とは、具体的にどこまででしょうか」
「水を飲ませたり、熱を測ったり、
手を握ったり」
「殿下」
ぴしっ。
「最後の一つが、非常に引っかかります」
「必要だった」
「必要以上では?」
「必要最小限だ」
「判断基準が殿下基準では困ります」
……ひぃ。
2人の間に、目に見えない火花が散っている。
少し強めのノック音が響いた。
「失礼いたします」
扉が開くと同時に、
朝食のワゴンと一緒に現れたのはアリスだった。
いつもより歩幅が早い。
表情も、どこか険しい。
「お目覚めになられましたか、お嬢様」
「うん…おはよう」
そう答えるより早く、
彼女はずいっと私の額に手を伸ばす。
「……熱、なし」
「喉の腫れも、問題なさそうですね」
ほっと息をついた、次の瞬間。
――ぎろり。
視線が、真後ろに立つ人物へ突き刺さった。
さっき出て行ったはずでは…
「……殿下」
「なにかな、アリス」
ディランは涼しい顔だ。
「一晩中、同じ部屋にいらしたと伺いましたが」
「ああ」
即答。
「看病だよ」
「…………」
アリスの目が、すっと細くなる。
「“看病”とは、具体的にどこまででしょうか」
「水を飲ませたり、熱を測ったり、
手を握ったり」
「殿下」
ぴしっ。
「最後の一つが、非常に引っかかります」
「必要だった」
「必要以上では?」
「必要最小限だ」
「判断基準が殿下基準では困ります」
……ひぃ。
2人の間に、目に見えない火花が散っている。

