「セナ」
「何ですか」
「君が、ティアナの騎士でいてくれて良かった」
「……何ですか、それ」
「強くて、誠実で、
何よりティアナの身を本気で案じている」
少し照れたような言い方に、思わず肩をすくめる。
「それはそうです。
……貴方以上に、大切に思っています」
「それはない」
間髪入れず、断言された。
「というか、セナ。
お前、ティアナと踊ったとき、距離が近すぎたぞ」
――離れろ、と口パクで言われた、あの時か。
「あれは……
お嬢様が俺を煽ったんですよ」
「煽る、だと?」
「“私の専属騎士なんだからダンスぐらいできるでしょ”って」
「それはそれは……」
ディランは苦笑する。
「なかなか、強引な誘いだな」
「ええ」
「……羨ましい」
「そうですか?」
「俺は、誘われたことないのにな」
「それはまあ……
お嬢様とは、付き合いが長いですから」
少しだけ、胸を張る。
「それよりもだ」
ディランが、じっとこちらを見る。
「なんで、あんなに距離が近かった。
耳打ちで、何を言った?」
――あの時。
悩んでいたお嬢様に、俺は。
『ティアナが悩んでいるなら、
俺が口説いてもいい』
冗談だと言った。
……だが、割と本気だった。
「……内緒です」
「そこまで来てか」
「教えろ」
「嫌です」
「王子命令だ」
「そんな横暴な……」
ディランはニヤリと笑う。
「わかった。なら勝負だ。
セナが酒で潰れたら、言え」
「それ、俺に得ないじゃないですか」
「じゃあ、セナは何がいい?」
少し考える。
「……じゃあ、婚約破棄してください」
「それは、見合わないだろ」
即却下。
「なら――
お嬢様に会いに来る頻度、週に一度にしてください。せめて」
思わず本音が漏れる。
(この王子、暇さえあれば来すぎなんだ)
「何ですか」
「君が、ティアナの騎士でいてくれて良かった」
「……何ですか、それ」
「強くて、誠実で、
何よりティアナの身を本気で案じている」
少し照れたような言い方に、思わず肩をすくめる。
「それはそうです。
……貴方以上に、大切に思っています」
「それはない」
間髪入れず、断言された。
「というか、セナ。
お前、ティアナと踊ったとき、距離が近すぎたぞ」
――離れろ、と口パクで言われた、あの時か。
「あれは……
お嬢様が俺を煽ったんですよ」
「煽る、だと?」
「“私の専属騎士なんだからダンスぐらいできるでしょ”って」
「それはそれは……」
ディランは苦笑する。
「なかなか、強引な誘いだな」
「ええ」
「……羨ましい」
「そうですか?」
「俺は、誘われたことないのにな」
「それはまあ……
お嬢様とは、付き合いが長いですから」
少しだけ、胸を張る。
「それよりもだ」
ディランが、じっとこちらを見る。
「なんで、あんなに距離が近かった。
耳打ちで、何を言った?」
――あの時。
悩んでいたお嬢様に、俺は。
『ティアナが悩んでいるなら、
俺が口説いてもいい』
冗談だと言った。
……だが、割と本気だった。
「……内緒です」
「そこまで来てか」
「教えろ」
「嫌です」
「王子命令だ」
「そんな横暴な……」
ディランはニヤリと笑う。
「わかった。なら勝負だ。
セナが酒で潰れたら、言え」
「それ、俺に得ないじゃないですか」
「じゃあ、セナは何がいい?」
少し考える。
「……じゃあ、婚約破棄してください」
「それは、見合わないだろ」
即却下。
「なら――
お嬢様に会いに来る頻度、週に一度にしてください。せめて」
思わず本音が漏れる。
(この王子、暇さえあれば来すぎなんだ)

