「……ですが」
専門家が、ふと視線を上げる。
「では、どうやって捕まえたのですか?」
静かな声だった。
「説明した通り、
この魚は大人数を集めても非常に捕獲が難しい。
それを、3人で、しかも無傷で――」
私たちは、揃って視線を逸らした。
「た、たまたまです」
「そうそう!
ほんとに運が良かっただけで!」
「……運が、ですか」
専門家の眉が、わずかに動く。
「ええ、その……」
それ以上は、誰も続けられない。
その横で、トワだけが黙ったまま、
桶の中の白ひげちゃんをじっと見つめていた。
白ひげちゃんは、まるで何も知らないと言うように、
小さく尾を揺らす。
しばしの沈黙。
やがて、専門家は小さく息を吐いた。
「……まあ」
「そこは、いいでしょう」
全員の肩から、目に見えない力が抜けた。
「いずれにせよ、
非常に希少な個体であることに変わりはありません」
「このまま一般の手に渡るのは危険ですし、
食用などもってのほか」
専門家は、はっきりと言い切った。
「こちらで保護という形を取らせていただきたいのですが、
よろしいでしょうか?」
私は一瞬、桶を見る。
白ひげちゃんは静かに、
風の輪の中で漂っていた。
「……お願いします」
「賢明な判断です」
専門家は頷く。
「正式な記録はこちらで作成します。
発見者として、皆さんのお名前は残りますが――」
一拍置いて、
「捕獲経緯の詳細については、
特に触れないでおきましょう」
……助かった。
「ありがとうございます」
私がお礼をいうとレオが、ほっとしたように笑う。
「白ひげちゃん、元気でな」
その言葉に反応するように、
桶の中で、白ひげちゃんが小さく鳴いた。
ふわり。
その場に、優しい風が吹いた。
専門家が、ふと視線を上げる。
「では、どうやって捕まえたのですか?」
静かな声だった。
「説明した通り、
この魚は大人数を集めても非常に捕獲が難しい。
それを、3人で、しかも無傷で――」
私たちは、揃って視線を逸らした。
「た、たまたまです」
「そうそう!
ほんとに運が良かっただけで!」
「……運が、ですか」
専門家の眉が、わずかに動く。
「ええ、その……」
それ以上は、誰も続けられない。
その横で、トワだけが黙ったまま、
桶の中の白ひげちゃんをじっと見つめていた。
白ひげちゃんは、まるで何も知らないと言うように、
小さく尾を揺らす。
しばしの沈黙。
やがて、専門家は小さく息を吐いた。
「……まあ」
「そこは、いいでしょう」
全員の肩から、目に見えない力が抜けた。
「いずれにせよ、
非常に希少な個体であることに変わりはありません」
「このまま一般の手に渡るのは危険ですし、
食用などもってのほか」
専門家は、はっきりと言い切った。
「こちらで保護という形を取らせていただきたいのですが、
よろしいでしょうか?」
私は一瞬、桶を見る。
白ひげちゃんは静かに、
風の輪の中で漂っていた。
「……お願いします」
「賢明な判断です」
専門家は頷く。
「正式な記録はこちらで作成します。
発見者として、皆さんのお名前は残りますが――」
一拍置いて、
「捕獲経緯の詳細については、
特に触れないでおきましょう」
……助かった。
「ありがとうございます」
私がお礼をいうとレオが、ほっとしたように笑う。
「白ひげちゃん、元気でな」
その言葉に反応するように、
桶の中で、白ひげちゃんが小さく鳴いた。
ふわり。
その場に、優しい風が吹いた。

