「――でも」
「アイリスが、力を使ったの」
「共鳴……ですか?」
「ええ」
マリアンヌは、はっきりと頷いた。
「見た瞬間に分かったわ。
これは、使ってはいけない力だと。
禁忌のものだと」
それでも。
「彼女はマルクを助けた」
「自分を犠牲にしてでもね」
胸が、締めつけられる。
「見殺しにすることも、できたはずよ」
そうすれば――
「跡取りのいない、
子も産めない私ではなく、
アイリスが正妻になる道もあった」
マリアンヌは、真っ直ぐに私を見つめた。
「それでも彼女は、そうしなかった」
「だから私は、決めたの」
「――あなたを守る、と」
初めて聞かされる真実。
そして、
知らぬ間に守られていたという事実。
胸の奥が、熱を帯びていく。
言葉にしようとすると、
喉が震えて何も出てこなかった。
マリアンヌは、ふっと微笑む。
「……アイリスは、優しい人だった」
午後の光が、カップの縁できらめいた。
その輝きの中で、
私はようやく気づいた。
ずっと嫌われていると思っていた。
でもこの人はずっと――
私を守り続けていたのだと。
「アイリスが、力を使ったの」
「共鳴……ですか?」
「ええ」
マリアンヌは、はっきりと頷いた。
「見た瞬間に分かったわ。
これは、使ってはいけない力だと。
禁忌のものだと」
それでも。
「彼女はマルクを助けた」
「自分を犠牲にしてでもね」
胸が、締めつけられる。
「見殺しにすることも、できたはずよ」
そうすれば――
「跡取りのいない、
子も産めない私ではなく、
アイリスが正妻になる道もあった」
マリアンヌは、真っ直ぐに私を見つめた。
「それでも彼女は、そうしなかった」
「だから私は、決めたの」
「――あなたを守る、と」
初めて聞かされる真実。
そして、
知らぬ間に守られていたという事実。
胸の奥が、熱を帯びていく。
言葉にしようとすると、
喉が震えて何も出てこなかった。
マリアンヌは、ふっと微笑む。
「……アイリスは、優しい人だった」
午後の光が、カップの縁できらめいた。
その輝きの中で、
私はようやく気づいた。
ずっと嫌われていると思っていた。
でもこの人はずっと――
私を守り続けていたのだと。

