(……浄化、成功)
(あとは……)
私はマルクとナナ嬢を見る。
水越しに、マルクと目が合った。
――通じた。
私が小さく頷くと、
マルクは迷わずナナ嬢を抱え、
力強く水を蹴って上へ向かう。
(……大丈夫)
その瞬間、視界が白く霞んだ。
(上、まで……)
意識が遠のきかける。
肺が限界を訴え、息が――
(……だめ、もう……)
そのとき。
柔らかな光の魔力が、
私たちを包み込んだ。
下から押し上げるように、
水の流れそのものが変わる。
(……ディラン)
迷いのない、静かな魔力。
焦りを押し殺した、冷静な判断。
剣のラピスラズリが、
最後に淡く瞬いた。
役目を終えたように。
――「よく、やった」
そんな声が、
水越しに、確かに聞こえた気がした。
そのまま、
私は光と水に抱かれながら戻ってきた。

