「――失礼いたします」
扉が控えめに開く。
花瓶を抱えたユウリが、いつもの落ち着いた足取りで入って――
「……っ」
私の姿を認めた瞬間、動きが止まった。
「……お、」
花瓶が、ぐらり。
「お嬢さま……?」
腕がわずかに震える。
「……目を、覚ま――」
言葉の途中で、さらにぐらり。
「……っ、あっ」
「ユウリ!」
ディランが声を上げる。
慌てて花瓶を抱え直し、ユウリは一歩よろけた。
水がちゃぷんと揺れ、花が傾く。
「し、失礼……!」
何とか机に花瓶を置き、両手で押さえ込む。
しばらくそのまま固まったあと――
「……」
深く、息を吸った。
そしてゆっくり顔を上げる。
「……本当に……」
かすかに、声が震えていた。
「目覚めたのですね…」
「うん……心配かけたね」
そう言うと、ユウリは困ったように、でもやさしく微笑んだ。
「いえ……」
「心配していましたがお嬢様の顔を見れて―」
いつもの完璧な執事の表情に戻そうとして、戻りきらない。
「……少し動揺してしまいましたね」
そう言いながらも、その目は少し潤んでいた。
ディランが小さく息を吐く。
扉が控えめに開く。
花瓶を抱えたユウリが、いつもの落ち着いた足取りで入って――
「……っ」
私の姿を認めた瞬間、動きが止まった。
「……お、」
花瓶が、ぐらり。
「お嬢さま……?」
腕がわずかに震える。
「……目を、覚ま――」
言葉の途中で、さらにぐらり。
「……っ、あっ」
「ユウリ!」
ディランが声を上げる。
慌てて花瓶を抱え直し、ユウリは一歩よろけた。
水がちゃぷんと揺れ、花が傾く。
「し、失礼……!」
何とか机に花瓶を置き、両手で押さえ込む。
しばらくそのまま固まったあと――
「……」
深く、息を吸った。
そしてゆっくり顔を上げる。
「……本当に……」
かすかに、声が震えていた。
「目覚めたのですね…」
「うん……心配かけたね」
そう言うと、ユウリは困ったように、でもやさしく微笑んだ。
「いえ……」
「心配していましたがお嬢様の顔を見れて―」
いつもの完璧な執事の表情に戻そうとして、戻りきらない。
「……少し動揺してしまいましたね」
そう言いながらも、その目は少し潤んでいた。
ディランが小さく息を吐く。

