「……お父様は嘘をついてたってことね」
自分でも驚くほど、声は冷静だった。
感情が追いついていないせいか、それとも――
もう、どこかで覚悟していたのか。
「そうなります」
ユウリは否定しなかった。
その一言が、何よりも重い。
「私はずっと……」
言葉が、途中で止まる。
――家族は、嘘をつかないものだと。
少なくとも、私を守るための嘘なのだと。
そう信じていた。
「私はずっと、お父様は私を遠ざけているだけだと思ってた。
危険な世界から、守るために……」
カップに残った紅茶は、すっかり冷めている。
けれど、口をつける気にはなれなかった。
「でも、違った」
その言葉にした途端、胸の奥で何かがひび割れる。
「……守っていたんじゃない」
ゆっくりと、息を吐く。
「隠していたのね。
私が“何であるか”を」
沈黙が、肯定の代わりに落ちた。
「……お父様は」
私は、視線を伏せたまま問いを形にする。
「どこまで関わっていたの?」
ユウリは、すぐには答えなかった。
視線を落とし、ほんのわずかな間を置いてから口を開く。
「少なくとも――
研究の存在を知らなかった、ということはありません」
その言葉で、十分だった。
「じゃあ……目的は?」
声が、自然と低くなる。
「研究者としての興味。
家としての力の維持。
あるいは――」
ユウリは、最後までは言わない。
「永続性、です」
不老。
不滅。
魔宝石と共鳴する“器”の存在。
頭の中で、書類の断片が次々と繋がっていく。
自分でも驚くほど、声は冷静だった。
感情が追いついていないせいか、それとも――
もう、どこかで覚悟していたのか。
「そうなります」
ユウリは否定しなかった。
その一言が、何よりも重い。
「私はずっと……」
言葉が、途中で止まる。
――家族は、嘘をつかないものだと。
少なくとも、私を守るための嘘なのだと。
そう信じていた。
「私はずっと、お父様は私を遠ざけているだけだと思ってた。
危険な世界から、守るために……」
カップに残った紅茶は、すっかり冷めている。
けれど、口をつける気にはなれなかった。
「でも、違った」
その言葉にした途端、胸の奥で何かがひび割れる。
「……守っていたんじゃない」
ゆっくりと、息を吐く。
「隠していたのね。
私が“何であるか”を」
沈黙が、肯定の代わりに落ちた。
「……お父様は」
私は、視線を伏せたまま問いを形にする。
「どこまで関わっていたの?」
ユウリは、すぐには答えなかった。
視線を落とし、ほんのわずかな間を置いてから口を開く。
「少なくとも――
研究の存在を知らなかった、ということはありません」
その言葉で、十分だった。
「じゃあ……目的は?」
声が、自然と低くなる。
「研究者としての興味。
家としての力の維持。
あるいは――」
ユウリは、最後までは言わない。
「永続性、です」
不老。
不滅。
魔宝石と共鳴する“器”の存在。
頭の中で、書類の断片が次々と繋がっていく。
