目の前にいるのは、銀髪に切れ長の瞳。
容姿端麗で、剣の腕も立つ――誰からも信頼されるセナ副団長。
この人は――
お嬢様に捨てられるかもしれない、なんて不安を、きっと一度も抱いたことがないのだろう。
――いいな。
もし俺がこの人を倒せば、
この胸のざわつきも、焦りも、嫉妬も。
全部、消えるのだろうか。
覚悟を決め、足を踏み込む。
本気で向かう。
少しくらい怪我をさせても……平気、だよな。
俺は小さく息を吸い、魔宝剣を強く握りしめた。
「紅く、鋭く――
我が想いに応えよ、スピネル」
その言葉に呼応するように、
鍔元の赤い宝石が強く脈打つ。
深紅の魔力が刀身を染め上げた。
燃え盛る感情そのものが刃となり、
胸に渦巻く迷いと恐怖を焼き切っていく。
――守りたい。
捨てられたくない。
置いていかれたくない。
そのすべてが、一振りの剣へと収束する。
踏み込みと同時に、風が炸裂した。
指先から解き放たれた魔力は、
見えない刃となって空気を切り裂き、
一直線にセナ副団長へと襲いかかる。
瞬時に氷が展開される。
鋭い衝突音。
金属ではない、冷え切った空気同士がぶつかり合う音――
紅と氷、2つの魔力が激しくせめぎ合った。
セナ副団長を傷つければ、お嬢様が悲しむ。
その思考が、一瞬だけ剣を鈍らせる。
容姿端麗で、剣の腕も立つ――誰からも信頼されるセナ副団長。
この人は――
お嬢様に捨てられるかもしれない、なんて不安を、きっと一度も抱いたことがないのだろう。
――いいな。
もし俺がこの人を倒せば、
この胸のざわつきも、焦りも、嫉妬も。
全部、消えるのだろうか。
覚悟を決め、足を踏み込む。
本気で向かう。
少しくらい怪我をさせても……平気、だよな。
俺は小さく息を吸い、魔宝剣を強く握りしめた。
「紅く、鋭く――
我が想いに応えよ、スピネル」
その言葉に呼応するように、
鍔元の赤い宝石が強く脈打つ。
深紅の魔力が刀身を染め上げた。
燃え盛る感情そのものが刃となり、
胸に渦巻く迷いと恐怖を焼き切っていく。
――守りたい。
捨てられたくない。
置いていかれたくない。
そのすべてが、一振りの剣へと収束する。
踏み込みと同時に、風が炸裂した。
指先から解き放たれた魔力は、
見えない刃となって空気を切り裂き、
一直線にセナ副団長へと襲いかかる。
瞬時に氷が展開される。
鋭い衝突音。
金属ではない、冷え切った空気同士がぶつかり合う音――
紅と氷、2つの魔力が激しくせめぎ合った。
セナ副団長を傷つければ、お嬢様が悲しむ。
その思考が、一瞬だけ剣を鈍らせる。
