第一部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない

ティアナside

セナとの決闘 1週間前

セナとの決闘を前に、私はメンバーを招集した。
一人では勝てない。それは、もう分かっている。

「みんな、集まってくれてありがとう」

「いえ、大丈夫です」

「俺も大丈夫です!」

ロベルトとアレンが続けて答える。
他のみんなもこちらをみて頷く。


「ありがとう。
実は……セナを諦めさせたいの」

その瞬間、みんながきょとんとした顔になる。
私は続ける。

「セナは私が進む道を止めようとしてる。
だから私はそれを諦めさせる」

力強く告げた言葉。

「俺やるよーお嬢さまのお願いだもん」

テオがゆるりと微笑む。

「えっと、どういうこと?
セナちゃんって、ティアナちゃんの専属護衛騎士よね?」

ルイが首をかしげる。

「近いうちに、セナと決闘しようと思ってるの。
私はどうしても勝ちたい。
……勝たなきゃいけないの。どんな手段を使っても」

宝石事件や蝶の会のことは伏せた。
こんな曖昧な理由で協力を頼むなんて、図々しいだろうか――そう思ったけれど。

「お嬢さんがそこまで言うってことは、勝たなきゃいけない理由があるんだろ?お嬢さんが進むべき道ってやつを守るために」

レオが、ビシッと手を挙げる。

「俺、協力するぜ」

「俺たちも、セナさんに負けっぱなしだからな!
一泡吹かせてやろう!」

ロベルトとアレンも意気込む。

「わかったわ」

ルイが微笑んだ。

「可愛い女の子が“勝ちたい”って言うんだもの。
相当な覚悟なんでしょう?
私も協力するわ」


「ありがとう、早速だけど作戦会議してもいいかな」