「今よ」
凛とした声。
空気が、変わった。
その瞬間。
ロベルトが作った土壁から
気配が2つ、同時に現れた。
「……ルイさん?」
視線の端。
軽やかに着地する影。
ローズクォーツ。
剣先が淡い薔薇色に輝き、
舞う光粒が幻想的な残像を描く。
敵の視界と感覚を狂わせる薔薇。
タンザナイト公爵家に仕えていた、
元・王国騎士団。
動きが、洗練されすぎている。
「……レオまで?」
反対側。
獣のような圧を纏って立つ男。
“狂乱の金獅子”。
ペリドット
大剣が赤熱する。
爆ぜる火花が炎へと変わり、刀身を包み込む。
剣を構えるだけで、
周囲の空気が軋む。
さすがに、息を呑んだ。
(ここまで、使うか)
左右には、すでにアレンとロベルト。
背後には、テオ。
前方には、彼女。
完全な円。
逃げ道は――ない。
理解した。
これは奇襲でも、
思いつきでも、
賭けでもない。
最初から組まれた、
完璧な包囲陣。
彼女が、剣を高く掲げる。
風が集束する。
空気が、軋む。
渦が生まれ、
地面の砂が舞い上がる。
逃げ場を削り、
視界を奪い、
意識を削り――
狙いは、ただ一つ。
俺だけ。
(……ああ)
これは、もう。
避けられない。
剣を構えたまま、
俺は静かに息を吐いた。
「……完敗だな」
力ではない。
剣技でもない。
覚悟と、人の使い方。
彼女は、守られるだけの存在ではなかった。
仲間を信じ、
頼り、
役割を与え、
そして――勝つ道を選んだ。
風が、すべてを飲み込む。
その中心で、
俺ははっきりと理解していた。
――もう、止めることはできない。
凛とした声。
空気が、変わった。
その瞬間。
ロベルトが作った土壁から
気配が2つ、同時に現れた。
「……ルイさん?」
視線の端。
軽やかに着地する影。
ローズクォーツ。
剣先が淡い薔薇色に輝き、
舞う光粒が幻想的な残像を描く。
敵の視界と感覚を狂わせる薔薇。
タンザナイト公爵家に仕えていた、
元・王国騎士団。
動きが、洗練されすぎている。
「……レオまで?」
反対側。
獣のような圧を纏って立つ男。
“狂乱の金獅子”。
ペリドット
大剣が赤熱する。
爆ぜる火花が炎へと変わり、刀身を包み込む。
剣を構えるだけで、
周囲の空気が軋む。
さすがに、息を呑んだ。
(ここまで、使うか)
左右には、すでにアレンとロベルト。
背後には、テオ。
前方には、彼女。
完全な円。
逃げ道は――ない。
理解した。
これは奇襲でも、
思いつきでも、
賭けでもない。
最初から組まれた、
完璧な包囲陣。
彼女が、剣を高く掲げる。
風が集束する。
空気が、軋む。
渦が生まれ、
地面の砂が舞い上がる。
逃げ場を削り、
視界を奪い、
意識を削り――
狙いは、ただ一つ。
俺だけ。
(……ああ)
これは、もう。
避けられない。
剣を構えたまま、
俺は静かに息を吐いた。
「……完敗だな」
力ではない。
剣技でもない。
覚悟と、人の使い方。
彼女は、守られるだけの存在ではなかった。
仲間を信じ、
頼り、
役割を与え、
そして――勝つ道を選んだ。
風が、すべてを飲み込む。
その中心で、
俺ははっきりと理解していた。
――もう、止めることはできない。
