(他の魔法と違って、光魔法は曖昧な部分もあるから想像しづらいんだわ。一応、夢塞病は私の魔法では治せないって伝えたはずだけど。切羽詰まって忘れているのかしら?)
ミリーネはどう説明しようか思案する。
すると、ハビエルがドレッサーの上にある、宝石箱から勝手に掴めるだけの宝飾品を掴み取った。
「お父様、何をするの!? それは私のよ。勝手に取らないで!!」
「これは当面の生活費としてもらっておく。一つでも多く返して欲しければ、明日ランドレイス家と話をつけてくるんだ。分かったな!」
ハビエルは捨て台詞を吐くと、部屋から出ていってしまう。
残されたミリーネは下唇を噛み、身体を震わせた。
(自分で撒いた種なのに好き勝手言わないで欲しいわ。私がどれだけ心を砕いていると思ってるのよ!)
噛みしめる下唇はじんわりと血が滲んでいる。
ミリーネは怒りを爆発させるようにダンッと化粧台を拳で叩きつけるのだった。



