格式にそぐわない格好で舞踏会に参加をして自分だけでなく、隣に立つシドリウスにも迷惑をかけることになってしまう。
必要経費と言われればそこまでだが、やはり申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
フィリーネが眉尻を下げていると、シドリウスに人差し指で頬をぷにっと突かれた。
「これくらいで気後れしていたら、次の店では気絶するぞ」
「そうなんですか?」
フィリーネはきょとんとした表情で首を傾げる。
どんな店に連れて行かれるのかと思ったら、次は宝飾店だった。
店内のガラスのショーケースにはネックレスや指輪が展示されていて、どれも大粒の宝石がついている。確かにここは別格だ。
シドリウスは近づいてきた店員と話し始め、一人残されたフィリーネは煌びやかな宝石たちに圧倒されていた。
(うう、宝石たちが眩しいです。別世界にいるみたいです!)
立ちくらみを覚えていると、ある宝石が目に留まった。
それはオーバル型のピンクの宝石がはまった指輪だった。
周りは小さな白の宝石に囲まれて花のようなデザインになっている。
フィリーネは吸い寄せられるようにショーケースに近づいた。
「とっても綺麗です」
見惚れていると、店員と話を済ませたシドリウスが近づいてくる。



