桜の咲くころ、思い出して

「まぁいいか、俺にはこれがあるし」

手が触れる、からませるように握ってにぃっと笑う。

目を合わせたらやっぱりこんな時はドキドキしちゃうけど。


ずっとこうなのかな?

ドキドキしちゃうのかな?


「帰ろうか、奈絵」

脳が反応しちゃってるんだ、きっとね。

つないだ手が優しいから私もつられて笑って、ふふって声がもれそうになる。

「何笑ってんの?」

「あっ、…あのねっ」

手を引かれて歩き出す、教室を出て隣を歩いて。

「友也くんに奈絵って呼ばれる時が1番うれしいから」

「マジで可愛すぎるからやめて」

「えっ!?」

思ったことを言っただけなのに、友也くんが顔を赤くしたから私まで移っちゃった!

え、今の違った!?

なんでも伝えればいいってものじゃないのかな!?

「あ、そうだちょっと寄り道して帰らない?」

ぐいっと手を引っ張られて、近くなった距離にまたドキドキして。

ずっとドキドキしてる、だけどそれは生きてる証拠だから。

「友也くん、どこ行くの?」

「ん、ちょっと奈絵に見せたいものがあって」

連れられるがままに歩いていく、友也くんに手を引かれて進んでいくその先にはー…

「わぁ…っ、すごいキレイ…!」