桜の咲くころ、思い出して

『まっ!出会った時から決まってたんだよな~、一緒にいられるのは子供の頃だけって!』

「…っ」

もう最後なんだ、これが最後なんだ。

お別れなんかしたくない、ずっとヨシノといたい。


それは願っちゃいけないの?


『奈絵、奈絵といて楽しかった』


私も楽しかった。

すごくすごく楽しかった。


『奈絵のこと、オレも伊田に負けないぐらい大好きだからな!』

「…っ」


声にならない、言いたいのに何も言えない。


だけど、もうこれがヨシノとの最後ならー…


「私もっ、忘れない…!」


ちゃんと伝えなきゃ、ヨシノが教えてくれたように。



「ヨシノのこと大好きだから!ずっとずっと大好きだから…っ!!」



ヨシノと出会えてしあわせだった。

記憶なんかなくても、ヨシノといる時間が楽しかった。


『ばいばい、奈絵』

「…ヨシ…っ」


いっぱいいっぱいありがとう。

またね、が言えないのが寂しいけど。


またどこかで会えたら…

願うだけは許してね?


『素敵な大人になってね、奈絵』


ばいばい、ヨシノ。

私の心の中にはずっといるよ。


ヨシノがいるからね。


絶対、絶対、忘れないでね、私のこと。


私も忘れないから。



「ヨシノ、ありがとう」