桜の咲くころ、思い出して

『だって寂しいだろ?何も知らない誰かもわからない世界で1人なんて』

あ、また涙が。

『そんな時はオレといればいいって、オレだって世界のことはなーんも知らないんだ』

涙が止まらなくなる。

『オレは奈絵のことしか知らなかった』

ヨシノは私の光だった。

ヨシノがいたからあの日からずっと楽しかったし、全部じゃないけど記憶だって戻ったし、学校だって行くことができたんだよ。

ヨシノがいつもそばにいてくれたから。

『だから…奈絵に大切な人が出来た時、オレの役目は終わるんだ』

「いやっ、いやだ…っ」

『泣くなよ奈絵~!オレからしたら超嬉しいんだぜ?』

「いやだ…!」

どうしてこんなことになっちゃったの?

ずっと私といるって言ったのに、なんで?


私が世界を変えようとしたからー…?


『伊田のこと、奈絵も大事にしろよ』

「…いやっ、伊田くんのことなんか私…っ!」

友達がほしかった恋人がほしかった学校ってやつに憧れてた。

いつも楽しそうに教えてくれるから、キラキラ輝いたものに思えていつか私もって思ってた。


ヨシノがいたのに。

私にはヨシノがいたのに、1人じゃなかったのに…



夢を見てしまったの。


私が変わろうとしたから、ヨシノはいなくなるの?