桜の咲くころ、思い出して

目をまん丸にした真島さんが立っていたー…


え、真島さん!?


「倒れたって聞いたから大丈夫かなーって見にきたんだけど友也とイチャイチャしてるとは…」

「してねぇーよ!」

ひょこっとのぞき込んだ真島さんと目が合った。

あ、やばい!今はちょっとあれで…っ

「え、泣いて…友也になんかされたの!?」

「だからしてねぇーわ!」

全然何もされてない、でものどが詰まって声が出なくて。

「もうすぐ掃除終わるよ」

あ、もうそんな時間なんだ。
ずっとここにいたから時間とかわからなくて。

でもね、真島さんの顔を見てまた涙が出ちゃいそうになったの。

ううん、我慢できなかった。

でも今度は、この涙は…

「終わったらフルーツポンチ配られるって一緒に食べに行こうよ!」

少し世界が広がった気がしたから。

中学校に来なかったら出会えなかった。

「じゃあ、あたし奈絵ちゃんの分ももらってくるから来てね!」

「あ、ありがとうっ」

「友也は自分で取りに行って」

「うぉぉい!行くけど自分で行くけど!」

まだいたんだ、私にはまだ。

そんな風に言ってくれる人、いたんだって…

保健室から出て行く真島さんを見て思った、私もう1人じゃないんだって。


だって私には真島さんだけじゃないー…


「川瀬ちゃん」

「…っ」