桜の咲くころ、思い出して

「“感情”だよ」


人の気持ちは人間にしかわからない、誰かと触れあうことで優しさや思いやりを学ぶことがきっと生きていくってことなんだ。

「だからね、学校に行こうって思ったの」

伊田くんの顔を見る、ずっと不安そうなままの伊田くんを。

「もっと誰かと話してみたいって思ったんだ」

ヨシノは私のためのAIだから、なんでも私のほしい回答をくれる。

でもそれは私の中の情報でしかない気がして知りたいって思った、もっとこの世界を知りたくなった。


だけどそう思わせてくれたのはヨシノなんだよ。


「教えてくれたの、いろんなことを教えてくれたから…私には知らないことがたくさんあるからずっと家にいたらもったいないっからって、ヨシノが学校のことを教えてくれたの」

勉強だけじゃなくて友達の作り方とか話し方とか、それはヨシノのデータからの情報だったけど私にはとっても心強かった。

ヨシノがいたらどこへでも行けると思ってた。

ヨシノがいたら寂しくなかった。


ヨシノといたらー…


「…っ」