桜の咲くころ、思い出して

私どうしたらいいのかな?どうすればいいの?私…

「ヨシノ?」

何も返答がなくて閉じかけた目をパッと開いた。

…聞こえてないのかな?
ううん、そんなことあるわけないよね。

「ヨシノ、聞いてる?」

……。

聞こえてないの?

「ヨシノ!」

勢いよく体を起こした、頭の中でヨシノの声を探して。

『なんだよ奈絵、声デカいな!自分の部屋だろ、そんな声張るなよ』

「だって返事しないから!何度も呼んでるのにヨシノが何も言わないからっ」

『へ?』

何その気の抜いた声は…さっきまでの私の声が聞こえてなかったみたい、ずっと呼んでたのに聞こえてなかったみたいな。

「ヨシノ」

…。

「ヨシノっ!」

『なんだよ』

「ちゃんと返事してよ!」

『してるだろ、どうしたんだよ?』

「どうしたって…あ、私にいじわるしてる?わざとしてるんでしょ!」

あ、そうゆうことか。
私が1人でわーわー騒いでるから見て見ぬフリしようってことね。

まぁそれはしといてほしいかもしれないけど…


けど!

私がヨシノを呼んだら応えてほしい。


『わざとって何が?』

「だから何回呼んでも無視するの!」

『してねぇよ、ちゃんと応えてんだろ』

「え…?」

ヨシノの表情は見えない、だからわからないけど…
ずっと一緒にいるからわかるの。

『オレが奈絵のこと無視なんかしねぇよ』

ヨシノは私に嘘はつかない。

『ずっと聞いてるよ、奈絵の声』

私の声、聞いてた?

本当に聞こえてたの?


どこかおかしくなかった…?


「ヨシノ、…どうかしたの?」

呼んでるのに聞こえない、途切れたまま届かない。

『何もないよ』

壊れた機械みたいに。

そういえば昨日、家に帰って来てからヨシノの声を聞いてなかった。

ヨシノから呼ばれることがなかった。


ヨシノはどうしてたの?