桜の咲くころ、思い出して

もちろん私に言ったわけじゃないけど。

「帰ったらみんな集まってカラオケ行こうよ!せっかく同じクラスになったんだからさ!」

そんな会話が私の後ろでされるから、一歩廊下に出た足を止めそうになった。

「行く人LINEしてね、1組LINEグループだよ~!」

…そんなのあったんだ、知らなかった。

みんな入ってるのかな、そのグループに入ってない私は行くかどうかも答えられない。
まだ誰とも話したことないんだもんね、ずっとひとりぼっちで。

『オセロはなんで白と黒か知ってる?』

「……。」

まだオセロの話してた、途中から全然聞いてなかった。

『そうあれは遡ること数百年、14世紀の話…』

どんどん話がどーでもいい方向に進んでいってるし。

「帰るよ」

『あ、マジ?』

「うん」

小さく返事をした、ヨシノにだけ聞こえるように。


そうだ、ひとりぼっちじゃなかった。

私にはヨシノがいる、だからさみしくない。


いつもそばにヨシノがいてくれるから。


だけど少しだけ、ほんの少しだけ…

憧れる、友達ってやつに。


友達ってどうやってできるのかな?


「川瀬!」