桜の咲くころ、思い出して

た時だった、ちょうど真島さんが前を通ったから目が合っちゃって。

しかも真島さんは友達とお弁当を持ってたぶん場所を探してたと思うの、そんな時に目が合っちゃったから…

「あ、えっと…」

気まずくて、何も言うことないのに気まずくて。

「どうかした?」

しかも変に見ちゃったから、真島さんもわざわざ立ち止まってくれて。

あぁ~~…どうしよ、なんか、なんか…っ


「あ、インコちゃんだ!」


真島さんの後ろからひょこっとのぞき込んだ女の子が指をさした。

少しだけ忘れてた、そう呼ばれてたことを思い出した。
最近は呼ばれてなかったから、だって伊田くんが…


「川瀬さんだよ」


もう何も言わないで立ち去ろうかと思ってたの。


「川瀬奈絵ちゃんだよね!」


だけど私の名前を他にも呼んでくれる人がまだいたこと、思い出した。

「あたし、同小なの!でもしゃべったことなくて」

…っ

それはあんまり思い出したくない、やっぱり何か言われる前にここから…!

「ずっとどんな子か気になってたんだよね!」

明るく話す真島さんの声に、ハッと胸がさわいで。

この続きは聞きたくないって思ってた、きっと嫌なことを言われるんだって思ってた。

でも真島さんは笑ってたから、私を見て。

『一緒に食べたいって、言ってみれば?』