桜の咲くころ、思い出して

「おいしい」

あ、普通に独り言だった今のは。

もらったレモンキャンディを口に入れたらシュワッと弾けたから。

ゆっくりだけど山頂まで登って来れた、伊田くんも一緒に歩いてくれて目標だった山頂まで…
だからちょっと休憩しようと思って木陰のベンチに座ってレモンキャンディを開けた。

『奈絵』

「…。」

『大丈夫か』

「…うん」

『本当に…』

ふわーっと吹く風が気持ちいい、最初はひんやりするって思ってたけど涼しくて気持ちいいかも。
ここまで来るのに汗かいたし、今1番自然を感じてるなぁ…

『弁当1人で食べることになるぞ』

「え!?」

パチッと大きく目を開けて周りを見てみればもうグループができていた、この時間は自由にお弁当を食べる時間だから。

「は、早く言ってよ!」

『だって奈絵が浸ってるから、たどり着いたことに』

「そんな時こそ言ってよ!」

ただでさえ着いたのが遅かったのにさらに出遅れちゃって、ここで1人のお弁当は…すっごいさみしい、かも。

こんなに自然の空気最高とか思ってたのに急に最悪だ。

『どっか場所探すか、山ん中ならどこでもあるだろ』

う、うん…
普段の教室よりあるよね、木の後ろとか草の中とか岩の横とか。

誰もいないようなとこ探して立ち上がっ…