桜の咲くころ、思い出して

『じゃ、続き登るか?』

「…うん」

そうだ、今はこんなこと考えてる場合じゃなくて足を動かして山を登ることだ。

すいーっと上を向くように顔を起こせば山頂まではほど遠く…

わ、見なきゃよかった!すっごい距離ある!!

「はぁ~…」

見ただけで疲れちゃった。
てゆーか全然体力戻って来ない、ちょっと休んだぐらいじゃ戻って来ない…また下を向いちゃった。

『奈絵?』

体が重くて足が動かない、なんか息がしにくいし。

あ、山は上に行けば行くほど空気が薄いってヨシノが言ってた!

だからちょっと苦しい気がするのかなぁ、ハァハァってどんどん呼吸が大きくなっていくいみたいで…

どうしよう、クラクラする。
目の前がゆがんでいくみたいでその場にうずくまっちゃった。

『奈絵!』

息をするのも苦しい、こんなにも体力なかったんだ私って…

『大丈夫か!?』

「…うん」

小さく返事をした、ヨシノにだけ聞こえるように。

きっとヨシノも心配してるから、ここでうずくまってちゃいけないのに。

早く立ち上がって登らないと、だから顔を上げて立ち上がって私ー…

『もう帰ろう、奈絵』