2年前の春、君に出会った。
それは今より少し風が冷たかった。
だからいつもより桜の開花時期が遅れてたんだよね。
病院の窓から見える桜がすごくキレイだったの。
それがヨシノと出会った日―…
「思い出すんだ」
“あの花はソメイヨシノだよ”
初めて、声を聞いた。
私の頭の中に響いて来た、ヨシノの声が。
「ふーん…じゃあ思い出の花ってことか!」
「うん…、そうかなぁ」
「いいね!なんかアンニュイ感じた!」
「そ、そう…?」
思い出って言うにはまだ早いかもしれないけどね、まだ思い出にできないぐらいあの日のことはちゃんと覚えてるから。
あの日、やっと光を見たから。
「じゃ、帰ろう!」
伊田くんが八重桜に背中を向けて歩き出した。
まだ日が沈むには早いけど、寄り道をしてこの時間まで帰らないのはちょっと悪いことをした気分。
いつもはもう、家でアニメの再放送見てるもんね。
「…今年も一緒に見られてよかった」
『八重桜だけどな』
「桜は桜だもん」
小さな声で、ヨシノに。
ヨシノだけに聞こえるように。
「よかったよ」
こそっとつぶやいて伊田くんの背中を追いかけー…
「ねぇ、もうひとつ聞いてもい?」
「…何を?」
振り返った伊田くんと目が合って、ドキッと変な緊張感におそわれる。
その瞳がとらえて離さないから。
何かを見透かされてるような、そんな瞳で私をー…
「それいつも誰としゃべってるの?」
それは今より少し風が冷たかった。
だからいつもより桜の開花時期が遅れてたんだよね。
病院の窓から見える桜がすごくキレイだったの。
それがヨシノと出会った日―…
「思い出すんだ」
“あの花はソメイヨシノだよ”
初めて、声を聞いた。
私の頭の中に響いて来た、ヨシノの声が。
「ふーん…じゃあ思い出の花ってことか!」
「うん…、そうかなぁ」
「いいね!なんかアンニュイ感じた!」
「そ、そう…?」
思い出って言うにはまだ早いかもしれないけどね、まだ思い出にできないぐらいあの日のことはちゃんと覚えてるから。
あの日、やっと光を見たから。
「じゃ、帰ろう!」
伊田くんが八重桜に背中を向けて歩き出した。
まだ日が沈むには早いけど、寄り道をしてこの時間まで帰らないのはちょっと悪いことをした気分。
いつもはもう、家でアニメの再放送見てるもんね。
「…今年も一緒に見られてよかった」
『八重桜だけどな』
「桜は桜だもん」
小さな声で、ヨシノに。
ヨシノだけに聞こえるように。
「よかったよ」
こそっとつぶやいて伊田くんの背中を追いかけー…
「ねぇ、もうひとつ聞いてもい?」
「…何を?」
振り返った伊田くんと目が合って、ドキッと変な緊張感におそわれる。
その瞳がとらえて離さないから。
何かを見透かされてるような、そんな瞳で私をー…
「それいつも誰としゃべってるの?」



