桜の咲くころ、思い出して

「そうだよ、最低3枚は提出だけど暗さとかは何も言ってなかったよ」

「え?…あ、そうだよね!そうっ、じゃあいっか!」

あ、よかった!

伊田くんの問いかけにちょうど答えたみたいになったから独り言にならなかった、セーフだ。

『スマホとかタブレットは曇りの方が影の出方を気にしなくていいんだよ』

「……。」

なのにヨシノは話を続けて来るから。

『要はどの方向でも撮りやすいってこと』

へぇ、そうなんだ。
太陽の光って写真撮りにくいよね、さっきの桃の木の写真もちょっとまぶしいとこがあったりして…

『まぁ光の加減は機能でどうにかなるしな!』

「曇り関係なくない!?」

「え?川瀬ちゃんどうかした?」

「あっ」

結局…
なのは私だ、何度でもやっちゃうクセが抜けなくて。

「あのっ」

それは思われるよ、言われても仕方ないと思う。

インコだなんて呼ばれてもね。

「…川瀬ちゃん?」

「あ、あの…っ」

どうしよう、なんて言おう!?

ヨシノのせいだもん、絶対ヨシノのせい!
こんな時ヨシノはどうすればいいか教えてくれないし!

「た…っ、タブレットだと曇りの方が影の出方を気にしなくていいの!」

だから何?って思うよね、わかる。でも思い付くのがこれしかなくて。

「影を気にしなくていいから写真が撮りやすいって」

さっきヨシノに言われたことをそのまんま言ってみた。

「だから曇ってても関係なくない!?って、…ね?」

ちょっと無茶だったかもしれないけど。