新着のチェーンメールが届きました。

この世には、二種類のチェーンメールが存在する。


一つ目は幸運を呼ぶチェーンメールで、二つ目は呪いのチェーンメールだ。


全て誰かが遊びで作ったやつだが、時には本物もあるらしい。


私はまだ、本物のチェーンメールに出会ったことがない。


幸運を呼ぶチェーンメールを回しても幸運は訪れないし、呪いのチェーンメールを回さずにいても呪われたことはない。


そう思うと、本物のチェーンメールなど存在しないのではないかと思えてくる。


「愛梨」


放課後の教室でそんなことを考えていた私の肩を叩いたのは、親友の茜だった。


茜はよくチェーンメールを書いている。


私にも何度か送ってきたことはあったが、回したことは一度もなかった。


「今からみんなでカラオケ行くけど、愛梨も来る?」


最近はテスト続きで疲れたし、気分転換に行くのもいいかもしれない。


「行こうかな」


私の返事を聞いて、茜は嬉しそうな表情を浮かべた。


「じゃあ行こっか!」


私は荷物を持って、茜の後に続いて教室を出た。


「愛梨ー!」


後ろから声がして振り返る。


「美琴!」


隣のクラスの美琴だった。


美琴は日本とドイツのハーフで、去年一旦ドイツに帰り、日本に帰ってきたのは先週だったため会うのは久しぶりだった。


「はいこれ。ドイツのお土産!」


美琴はドイツのお菓子の詰め合わせをくれた。


「えー、ありがとう!」


私はお土産を受け取って、カバンに入れた。


「そういえば今からみんなでカラオケ行くんだけど、茜から聞いた?」


私の言葉に、美琴は首を傾げた。


「え?私聞いてないけど」


「あれ?そうなの?」


茜と美琴は幼稚園からの幼馴染で、高校生になった今でも仲良しだ。


そんな美琴を茜が遊びに誘わないのは、私が知ってる中だと今回が初めてだ。


何か理由があるのだろうか?


美琴が一度ドイツに帰ってしまったから、距離ができたとか?


それなら今日縮めてあげよう。


そう考えた私は、美琴をカラオケに誘った。


「私も行きたい!」


美琴は即答だった。


いつの間にか茜の周りに人が増え、この人たちも全員カラオケに行く人たちなんだろうなと思った。


中には名前を知らない人もいるが、今日をきっかけに仲良くなれるかもしれない。


そんな期待を胸に、私はカラオケに向かうみんなの背中について行った。