頻発性哀愁症候群

その時、誰かが私の肩をトントンと叩く。

「川崎さん、今日の数学の課題やった?」

後ろの席の女の子……確か名前は美坂さん。

「やってあるけど……」

「最後から二問目の問題が分からなくて。教えてくれないかな?」

教えてあげたい。でも……

「ごめん。出来ない」

「川崎さんも分からなかったの?」

「いや、えっと……」

「出来たの!?お願い、教えて!私、今日、出席番号的に先生に当てられるかもしれないの!」

押し切られるように、私はその問題を教えた。

きっと今日当たるかもしれないと言われて、心のどこかにある良心が痛んだのだ。