Catastroph

チセが鉄格子を掴む。カントも窓に近付いた。しかし、足枷が音を立てて現実をカントに突き付ける。

『お前は忌み子だ』

『ここで罪を償い続けるんだ』

『お前は幸せになってはいけない』

そんな声が聞こえた気がして、カントは俯く。しかし、その時だった。頭の中で違う声が響く。

『あの子と一緒に逃げたい?』

その声にカントは顔を上げる。神様の声だった。

(神様なら、僕の願いを叶えてくれる!)

カントはすぐに頷いていた。

「僕、チセと一緒に行きたい!」

そうカントが叫んだ瞬間、パキンと音が響いた。足を見ると、頑丈な足枷が外れている。そしてーーー村人しか普段は開けない鍵付きの扉が、ゆっくりと開いた。扉の前にはチセが立っている。

「なんか、急に扉の鍵が壊れたんだけど……」

戸惑っている様子のチセの手を、カントは掴んだ。初めて触れた手は、驚くほど温かく感じる。

「神様が助けてくれた!これでチセと一緒にいられるよ!」