少年は首を傾げる。初めて聞いた言葉だった。その様子を見て、少女は鉄格子を掴む。
「ねぇ、どうして君はこんなところにいるの?」
「ぼ、僕は、ここにいなきゃいけないから……」
少年が動くとジャラリと鎖が音を立てる。それを見て少女は「酷い……」と瞳を潤ませ、口元を手で覆う。少年は首を傾げたまま少女を見つめた。何故、少女がそのような表情をするのかわからない。
「私、チセ。君は?」
「えっ?」
「名前、なんて言うの?」
少年はボロボロの衣服を握り締める。自分の名前などない。いつも、村人には「忌み子」や「鬼の子」と呼ばれていた。
「名前、名前はないよ。強いて言うなら、忌み子?」
そう少年が力なく笑いながら言った刹那、目の前の少女ーーーチセの瞳から涙が溢れた。月明かりに照らされ、涙が煌めく。それを見た少年の胸に、とある感情が生まれた。しかし、その感情の名前を彼は知らない。
「こんなの酷いよ……。こんなの……」
「ねぇ、どうして君はこんなところにいるの?」
「ぼ、僕は、ここにいなきゃいけないから……」
少年が動くとジャラリと鎖が音を立てる。それを見て少女は「酷い……」と瞳を潤ませ、口元を手で覆う。少年は首を傾げたまま少女を見つめた。何故、少女がそのような表情をするのかわからない。
「私、チセ。君は?」
「えっ?」
「名前、なんて言うの?」
少年はボロボロの衣服を握り締める。自分の名前などない。いつも、村人には「忌み子」や「鬼の子」と呼ばれていた。
「名前、名前はないよ。強いて言うなら、忌み子?」
そう少年が力なく笑いながら言った刹那、目の前の少女ーーーチセの瞳から涙が溢れた。月明かりに照らされ、涙が煌めく。それを見た少年の胸に、とある感情が生まれた。しかし、その感情の名前を彼は知らない。
「こんなの酷いよ……。こんなの……」


