Catastroph

チセの手元に火が灯る。カントは息を呑んだ。

「すごい!」

チセは木の枝に火をつける。そして鞄の中から保存食を取り出した。魚を干したものだ。

「明日はきちんと食料を探そっか。今日はこれで許してね」

「すっごくこれおいしそうだよ!初めて食べる!」

カントは保存食に齧り付く。刹那、口の中に魚のうまみが広がっていった。

「おいしい!すっごくおいしいよ!」

カントはチセに笑いかける。チセも笑った。

「お気に召したならよかった」

魚を食べ終えた後、カントはチセと共に洞窟を出る。空を見上げれば、いつの間にか星がたくさん姿を見せていた。

「綺麗……」

鉄格子のない空がこれほど美しいなど、カントは知らなかった。チセはフフッと笑う。

「綺麗でしょ。あの星はねーーー」

チセはたくさんの星座の物語を話してくれた。カントはまた知らないことが増え、喜びに心が躍る。

(こんな日々がずっと続きますように……)

眠る際、カントは神様にそう願った。