両手いっぱいの、大好きを。

…………。

気まずさで、2人の間に沈黙が走る。

「あの、虹くん…」

「ん?どうしたの」

「いいの?花美ちゃん、振っちゃって…」

「いいの。ていうか、もう暗いし、帰ろ。家送ってく」

「ありがと」

何だか、早く離れようとしたような気がして。

でもそんなことないとぶんぶん頭を振った。

「愛里清ちゃん?どうしたの?」

「いや。何でも…」

「そっか。」

虹くんが、離れてってしまう。嫌だ。

気付いたら、体が勝手に動いていて、虹くんの服の裾を掴んでいた。

「?どうしたの?ほんと」

「あ、え…いや…、」

ここで、言わなきゃ…

今、言わないと…

そう思うけれど、勇気のないわたしの口から漏れた言葉は…

「何でもない」

そんな、可愛くない返事だけだった。