大好きなキミと365日の恋をする

虹くんだった―――。


「驚きすぎでしょ。今来たとこ。」


ひ、ひえぇ…じゃあ今の独り言とか聞かれて、窓に頭ぶつけてる鈍臭いところも見られてたの!?


恥ずかしくて、つい下を向いてしまう。


「ねぇ、何が早く始まってほしいの?」


いつもと違う虹くんの声が降ってくる。


多分だけど、今、虹くんは意地悪に笑っていると思う。


「教えてくれない?愛里清ちゃん。」


「ぇ、虹、くんっ…!?」


虹くんの大きな手が、私の顎に添えられた。


そして、クイッと上げられ、ばっちり目が合った。


やっぱり、虹くんは意地悪そうな笑みを浮かべていて。


また、そのいつもとのギャップに胸のときめきが加速した。


「あ、あの、こ、虹くん…?」


その時、教室の扉が勢いよく開いた。


びっくりして、虹くんと距離を取る。


「あら、2人とも早いのね。」


入ってきたのは、月寄先生だった。


「はい。」


虹くんは、さっきのことがなかったかのように落ち着いている。


「夏凪さん、胡依さんの勉強、見ていてくれませんか?」


「…へっ?」


つい驚きで間抜けな声が出てしまった。


「分かりました。責任を持って、胡依さんが基本は自力で解けるくらいにします。」


「ええ、期待してるわ。胡依さん、あなたも頑張るのよ。」


そう言い残して、月寄先生は教室を出ていった。