両手いっぱいの大好きを。

4日目、私も自力で解けるようになった。(応用問題は説明がいるけど。)

補習最後の日まであと2日。

シャーペンをカリカリ走らせていると、隣から視線を感じた。

視線をノートから虹くんに移すと、虹くんがこちらを見つめてて。

それにびっくりしたと同時に、顔の温度が少し上がった。

「虹くん、どうしたの?」

そう聞くと、虹くんはジーパンのポケットから、スマホを取り出し、なにか調べ始めた。

そして、私に『夏祭りのホームページ』を見せてくれた。

「行かない?一緒に。」

去年までは、心結といっしょに行っていたので、違う人と行くのは虹くんが初めて。

「ええーと、誰か誘ったほうがいいかな?ち、千輝くんとか!」

そう言ったら、虹くんの顔が固まったように見えた。

「え…っ、愛里清ちゃん、もしかして俺と2人で行きたくない?」

「いや、そんなことないよっ…!ていうか、虹くんは私と2人でいいの…?」

虹くんは、優しそうに微笑むと、

「うん。愛里清ちゃんと“2人”で行きたいな。」

「っ、…!」

いちいち『2人』というワードを強調して言ってくる虹くんは、やっぱり意地悪。

「わ、分かった…!」

「じゃあ、いつもの駅で集合ね。」

「うんっ!」

まさか、こんな楽しくなるはずの夏祭りの前に、

胸を締め付けられるような気持ちになるなんて、

まだ、知る由もないのー。