誰もが息を止めて見守る中、そっと閉じていた瞼をあけて口を開いた彼。
『……東雲由良、です。よろしく』
ぞくぞくする低音ボイスに、どこか艶のある声。
その声に私、いやクラス中が彼の虜になった。
『東雲の席は~あー、あそこだ。宮本の隣』
宮本の隣。
みやもとの、となり。
みやもとのとなり……?
『おーい、宮本、手を上げろ』
えっ!?
宮本って私……!?
『ちょっと茜、呼ばれてるよ』
こそっと後ろを振り向いて小声で話しかけて来た薫ちゃん。
「はっはいぃ……!?」
『東雲、あそこだ。』
『わかりました』
そう、一言だけ返事をしてスタスタとこっちへ向かって歩いてくる彼。
えっ、
えぇ……!?
隣の席に座るの……!?
ガタッとイスを引いて静かに腰かけた東雲君。
こっ、これ、あいさつとかした方がいいのかな……!?
どっ、どうしよう………
いきなりすぎて心の準備が……
「あっ、あの……」


