誕生日やお祝いごとの際でも、いつもわたしを気にかけてくれていたのは母よりも祖父だったから。
それにわたしはそもそも「お祝いごと」というイベント自体が少なかった。
「ありがとう…!大事にしますっ」
このサイズなら首にかけたままお仕事をしても邪魔にはならなさそうだ。
「…これから長期滞在になるだろうから、荷物も整理したのよ。このバッグにいろいろ入っているから」
まさかそこまでしてくれていたなんて…。
いらないや、もう。
さっきまであんなにも欲しがっていた言葉は。
「うちが代々飾ってきたお守りの置物だったりが幾つか入っているわ。もしよければ、日向家に飾ってもらってちょうだい。……ご挨拶のシルシに」
「うん…!そうするっ!」
─────と、そのときだった。
我が家のインターホンが鳴って、母が玄関へと向かっていって。
するとドタドタと強めに響いた足音が1人じゃないことを教えてきた。



