日向家の諸事情ですが。





3兄弟とわたしが打ち解ければ打ち解けるほど、この人がどんどん孤独になっていっちゃうような気がする。

もしそれを本心からあなた自身が望んでいるのなら、今にも消えてしまいそうな声はしてないはずだ。



「ねえっ…!葉奈!!」



反響する自分の声。

足音だけが止まって、彼は振り返ることだけは絶対としてしなかった。



「すっ、好きな食べ物……なに?」


「………肉」



おおお……これまた男らしい。
うん、想像どおりだよ。

この人はルックスを見れば中性的な部類かもだけど、不思議と男性感が拭えないんだ。


たとえば女装したとしても「あっ、男だ…」ってなるやつ。



「お肉っ、じゃあ今度みんなでお肉パーティーでも───」


「いらない」



………うん、答えてくれただけOKだ。



「…どーせおまえも識のため?」


「…え……?」



ほら、ここでも。

馴れ馴れしく話しかけるな、なんて言われるとばかり思っていたのに。


この次男のことだけは一生かけても分からない自信がある。


いつまでも渡せないマスコットキーホルダー、わたしの机の上で寂しく座っているんだよ───。