ここまで来たら末っ子四男、日向 望(ひゅうが のぞむ)をどうにかしてでも部屋から出させようではないか。
名づけて、「おまえはそろそろ日向(ひなた)を望(のぞ)んだらどうだ大作戦」だっ!!!
「望〜、いっしょにご飯たべるよー」
シェフさんが彼用の食事をダムウェーターに入れたタイミング、その日からわたしは洞窟のような隠し通路に足を運んで。
重そうな扉の前、自分用の食事が乗ったおぼんを地面に置く。
「これ美味しいね!なんのステーキだろ…?たぶん高いやつ!」
最近どう?
好きな季節なに?
嫌いな食べ物とかってある?
そんなありふれた会話を独り言のように出して、扉の奥へと問いかける。
「末っ子ってさーあ?ほんっとうに大変だよね〜」
次の日、また次の日と。
食事のときに限らず、それから飽きもせずに毎日わたしは暗い扉の前、背中を預けるように座って話しかけ続けた。



