日向家の諸事情ですが。





「そんなのしたら逆効果だって出てこないって…!!」


「出てこないんじゃない!出てこさせるの!!」


「は…?いやっ、だとしても順序ってあるじゃん!!」


「…………やっぱダメか」



一向に出てこない扉の前、わたしは一旦は強行突破を諦めた。



「ダメに決まってる。ねえ、一応はおれたちより年上でしょ?もしかしてサナってさ……バカ?」


「…うるっせい!」


「てか、ずっと気になってたんだけど。サナって高校どうしてるの?」


「うちは特殊だから、このメイド業で高卒資格も取れるのっ。もちろんちゃんと試験はあるよ?今のこれは、うーん……実践授業みたいなものかなあ」


「へー。すご。専門高校みたいなやつか」



とくに興味のなさそうな「すごい」をありがとう。


でも不思議。
ほんとうに不思議だ。

楓くんだけはこうして話せちゃうくらい、最初から庶民的な親近感があったから。