日向家の諸事情ですが。





まずはそいつ─末っ子四男─をどうにかする。


引きこもり?繊細?

あんな暗ったるい牢獄みたいな場所にいるほうが、逆にもっと閉じこもっちゃうよ。



「じゃなかったらわたしっ、今日で3日目だから契約切れするよ!?」


「え。契約社員だったの?」


「そう!!更新しなくていいの…!?いいんならいいけども!?」


「……それってさ、おれの毎日がまたつまんなくなる?」


「────なる!!!」



いいか、日向家の御曹司ども。
今までのメイドとわたしを比べないように。

それは石ころと原石を比べているようなものだぞ。


あのねお母さん。
わたし、もう少しだけここに居ようと思う。

なんとかやっているから、心配いらないよ。



「うわあぁぁ…、なにここ洞窟……?」


「だから言ったじゃんか。やめるなら今だよ」


「やめない!!出てこい引きこもりーー!!おまえに逃げ場はないっ、わたしが封鎖した!!」


「……あーあ。おれ知ーらない」



末っ子とは言っていますが、正しくは楓くんの双子の弟だ。


彼が心を閉ざしたのは、6年前に母親が亡くなってからだという。

そして去年、四男がいちばん懐き親しくしていた使用人も亡くなって、完全に封鎖されてしまった心の扉。


を、こじ開けてやるから待っていろ末の子め。