長男、19歳。
次男、18歳。
たったその1歳の差が、跡取りという立場に生まれた彼にとってはこれほどない壁だったのだと。
「次男はどう頑張っても長男にはなれない。それって言い換えると…2番目が欲しいものすべて手に入れてきたのが1番目のシキ兄でもあるってことなんだよね。……そりゃ、地獄みたいな関係にもなるって」
単に不仲というだけじゃなさそうだ。
わたしが思いつく一般論や常識は、たぶんここでは使えない。
「それって、親の期待とか…?」
「あー……そこはちょっと違う。期待ってのとは違うんだよ父さんのやり方は。しかもそれ、ハナちゃんだけに背負わせた形だったから。…子供ながらに見てられなかったもん、おれ」
彼らのお父さん─旦那様─が次男にだけ背負わせたものとは、一体なんなのだろう。
人間を根本的に信じていない。
それがあいつだって、楓くんもアニキも葉奈を指して言っていた。
つまり人を信じることができなくなった出来事があったってこと、だよね……?



