因縁結びの寄宿舎 ~神譲りの禁忌が生んだ救済の話~

タイトル:因縁結びの寄宿舎 ~神譲りの禁忌が生んだ救済の話~
コンセプト:因縁が結ぶ救済のバディ物語。

ストーリーライン概要
【冒頭】主人公は、『鬼』に襲われて瀕死状態の弟を救うために霊力と視覚と聴覚のほとんどを犠牲にして神をおろし、宮司の家督を譲った少年。
①怪異退治の寄宿学校に入り、鬼となった父を救いたい少年とバディ・相部屋になる。
②主人公の過去の選択が、相棒の絶望と繋がっていることが判明する。
③正しさとしては「祓う」べき鬼が、相棒にとっては「唯一の希望」だった。
④主人公は再び〝封印する選択〟ではなく〝共に祈る選択〟をする。
⑤鬼は救われ、兄弟と父子、それぞれの因縁がほどける。
【オチ】バディは別れるが、縁は続いていく

ストーリーライン全貌(※あくまで物語の結末までの一例をまとめた構成案です)
 宮司の息子であった主人公――津守宗臣(つもりむねおみ)は、『山伏の鬼』に襲われ瀕死状態の弟――誠(まこと)を救うため、視覚と聴覚のほとんどを犠牲にして自身に憑いた神を下ろした。それは一族の存続に係わる禁忌の行為だった。神が誠に憑いたことで家督を譲り、家から出されることに。
 宗臣は怪異退治の精鋭を育成する寄宿学校に入学。
 寄宿学校はバディ制であり、入学時に決められた相手と相部屋になる。宗臣の相手は山伏の息子、望月清之介(もちづきせいのすけ)。彼は常に錫杖を持ち歩き、日々の修行を欠かさない、無口だが情の厚い男だった。錫杖を見る度、自身が封印した『山伏の鬼』を思い出し複雑な気持ちになりながら、当たり障りなく過ごしていたある日、宗臣は宮司の息子でありながら式神しか扱えないことから『最弱』のレッテルを貼られいじめられる。それを庇ったのは清之介だった。
 そこから2人は仲良くなっていく。体操服の貸し借りや、実習外の怪異退治にふたりで赴いたり、式神の力を使って補強しているとはいえ視覚が弱い宗臣を清之介は支えることで徐々に絆が深まっていった。宗臣は清之介の願望を知る。『鬼』となってしまった父を救うため、修行を続けている。父を救うことが生きる希望であると。
 入学からしばらく経った頃、学校に怪異が現れた。宗臣はひとりで式神で応戦。ピンチを迎えた時、錫杖を鳴らした清之介が怪異を退治し、宗臣を助ける。宗臣は式神を通して360度の視界を利用し、清之介を手助けする。怪異退治専門の学校に怪異が現れるのはおかしいと探った結果、犯人は宗臣の弟である誠だった。
 誠は宗臣を愛していた。彼の力になりたいと常日頃から思っていたその気持ちを、神の力を欲しがっていた『鬼』に利用され、精神を乗っ取られた。宗臣を喰うことはかなわず、誠を喰おうとした『鬼』を退治したのは、山伏の男――望月玄岳(もちづきげんがく)だった。彼は寸でのところで鬼に喰われてしまい、誠を襲った。誠は宗臣が救ったが、誠の中で『鬼』の思念は〝生きて〟いた。神の力を得た『鬼』は誠の精神を乗っ取り、今度こそ宗臣を喰おうと学校に怪異を送り込んでいたのである。
 宗臣は神の護りが無いため、祓言葉を唱えて誠と『鬼』を引きはがすことができない。清之介もまた、宗臣の本来の能力には届かないほどの霊力しかないため、困難を極めていた。そうこうしていると誠は宗臣が封印した『山伏の鬼』を学校へ送り込む。その封印を解いたことがきっかけとなり、誠に憑いていた神は宗臣の元へ帰った。霊力を取り戻した宗臣は『山伏の鬼』を祓おうとするが、それを清之介は全力で阻止した。なぜなら『山伏の鬼』は、清之介の父、玄岳だったからだ。救いたいと願う清之介の「希望(父)」が、かつて自分が封印した「絶望(鬼)」だったのだ。
 清之介と宗臣はお互いの過去を語る。因縁が結んだ2人は最悪の形で再会を迎えた。宗臣は清之介に抱き着く形で落ち着かせ、謝罪の言葉を繰り返し、清之介はそれを受け入れる。玄岳の魂が救われるように一緒に祈ろうと宗臣が声を掛ける。山伏の真言を清之介が先唱し、宗臣が祓言葉で応じ、神道側は二拍手で神を呼び、山伏側は印契(手印)を空中に描き統一。玄岳の魂は救われ成仏し、誠は我に返り、犠牲者は宗臣と清之介の力で鬼にならずに済んだ。
 神はそのまま宗臣に憑き、誠は鬼に操られぬよう厳しい修行をすることに。宗臣は家督を継ぐため、寄宿学校から神道系の学校へ転校。別れの前夜、神の力が戻った目で見たのは清之介の笑顔だった。笑い皺までくっきりとよく見えた。望まぬ結果だったが、父を救えたと憑き物が落ちたように表情が明るくなった清之介とは1年足らずの付き合いだったが、かけがえのない親友に。連絡先を交換し「バディは解消するがまた会おう」と約束して、力強いハグを交わした。
 因果が結んだ縁は、これからも切れそうにない。

 
主要キャラクター
【主人公】
 津守 宗臣(14歳)
 中学二年生。霊力を失っても誰かを守れる人でありたい。神おろしをしたことで聴覚と視覚のほとんどを失う。ふだんは式神の力を込めたピアスを付けることで聴覚を人並みまでに補強し、視覚は人型の紙に目の模様を描いた式神を持ち歩くことで視覚を補強している。ただし視力は0.1ほどであり、視界は360度。大人しい性格だが人見知りはしないタイプ。ぶさかわなキャラクターものを集めるのが趣味。清之介が意外と面倒見の良い男なのでつい甘えてしまいがち。

【バディ】
 望月 清之介(14歳)
 中学二年生。無口だが情に厚い。会話はできる。小学生の頃、修行で入った山で父とはぐれてしまい、見つけた時にはもう『鬼』となって封印されたあとだった。封印の力が強く自分ではまだ解けないため、毎日の修行は怠らない。父を助けることが生きる希望になっている。結果として助けられなかったが、成仏はさせてあげられたことで元気が戻った。宗臣の唯一理解できないところは、ぶさかわキャラクターの収集癖。

 津守 誠(10歳)
 小学五年生。お兄ちゃんが大好き。宮司の跡取りである兄を誇りに思っていた。鬼に操られていたことを恥じ、自分から修行すると申し出た。兄の邪魔をしてはいけない、けれど兄のそばに仕えたい。そんな一心で宗臣と接している。

 望月 玄岳(47歳)
 森の中の安全な道を見つけるため、すぐ戻るつもりで寝ている清之介を置いて下調べをしていた時に、『鬼』に喰われそうになっている誠を発見。助けるが、自分も鬼に喰われてしまったことで誠を襲い、瀕死の状態にさせた。山伏の霊力を持ったまま『鬼』になったため、そこらへんの『鬼』よりも強く、最凶だと呼ばれている。神道の霊力を持った誠の精神を乗っ取るほどの『鬼』なので抵抗できず、自我を保てなかった。生前は厳格な親父であったが、悪戯好きのお茶目な息子ラブなおじさんだった。
 

世界観やテーマ
 怪異(鬼・霊)を祓う力を持つ者たちが存在する世界。
 神道・山伏など、複数の信仰体系が怪異退治に関わっており、対処法も価値観も異なる。
 力を持つ子どもたちは、怪異退治の精鋭を育成する寄宿学校に集められる。
 怪異を退治する専門の職業がある。

 
独自のポイント
 間違っていなかったと信じていたはずの選択をどう背負い直すのかという、葛藤と絆の物語。